データガバナンスは急成長している分野の1つですが、多くの組織ではこの正確な定義付けに苦労しています。Dataversityによると、データガバナンスとは「組織内のデータ資産の正式な管理を確実に実施するのに役立つ実践とプロセス」です。
erwinではこの定義��さらに掘り下げて、データガバナンスとは「組織がデータを検出および追跡し、適切なビジネスコンテキスト内に正確に配置し、そのセキュリティ、品質、および価値を最大化できるようにするための戦略的かつ継続的な取り組み」と捉えています。組織全体においてデータは、説明責任と有意義なインサイトを促進できるように、アクセスでき、一貫性があり、使用できなければなりません。
しかし、データガバナンスの関連プロセス、実践、およびコンテキストは、ビジネスによって大きく異なってきます。そのため、組織は、独自の定義、つまり、組織のニーズに特有の定義に到達する必要があります。この理解を深める最良の方法は、ビジネスにデータガバナンスの採用を推進している主な要因を検討することです。
データガバナンスが注目されるようになってきたのには、一般データ保護規則(GDPR)の適用開始が大きく影響しています。実際、2018年5月の適用開始日に先立ってerwinが初めて発行した「データガバナンスの状況」に関する報告書では、データガバナンスを導入する最大の要因が法令順守だとする組織が60 %にのぼることが明らかになりました。
ところが最新の数々の分析を見ると、データガバナンスのメリットと重要性をじっくり落ち着いて考えるようになってきていることが分かります。2回目の調査では、データガバナンスの取り組みを進める最大の要因として「意思決定の向上」を挙げた組織が62 %となり、最も多くなりました。さらに、『2021 State of Data Governance and Empowerment(2021年版データガバナンスとエンパワーメントの状況)』報告書では、データセキュリティとデータ品質が主な要因に挙げられています。
ただ、こうしたコンテキストにデータガバナンスをどう適用するかを理解しないままに導入しても、ほとんど効果はありません。組織全体のデータガバナンス戦略を定めるには、まず、どのような事業成果をあげたいのかを考えるところから始めるとよいでしょう。このアプローチにより、それまでデータガバナンスの取り組みで課題となってきた点を、関係者全員が共通の目標として掲げられるようになります。
データセキュリティ
データ品質
分析
法令順守
データガバナンスの取り組みを進める一番の動機が法令順守であることを考えると、なぜ包括的なデータ・ガバナンス・ツールを使用する必要があるのかは容易に理解できますが、なぜそれを使用するべきなのかを理解することも大切です。
erwin Data Catalogやerwin Data Literacyなど、erwinのデータ・ガバナンス・ソリューションは、これまでとは全く違う観点からデータを捉えることができるようになります。組織内で協力しながらデータガバナンスに取り組むことで、コンプライアンスの面以外でも次のようなメリットが数多くあります。